上智福岡中学高等学校

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2021年6月21日

難民の方と出会おう

6月20日は「世界難民の日」でした。

つい先日サッカーのミャンマー代表の選手が、試合当日軍に対する抗議の意思を示し、身の危険から帰国を断念したというニュースが流れました。その選手は日本で難民申請をするとのことです。

難民とはどのような人々か。次のように定義されています。

「人種、宗教、国籍、政治的意見やまたは特定の社会集団に属するなどの理由で、自国にいると迫害を受けるかあるいは迫害を受けるおそれがあるために他国に逃れた」人々だと。

2019年のデータですが、UNHCRの支援対象者は8650万人にも達したそうです。2021年の現在ではさらに増えているだろうと言われています。

もちろん日本にも難民として逃れてきた人々がいます。しかし、日本の難民申請の認定率は世界的にみても群を抜いて低いと言われています。2020年は3,936件の申請に対して、認定されたのは47件、2019年では10,375件に対して44件でした。

でも、このようなことは教科書などをみれば大体出ている情報です。では実際に難民の方ってどんな方なの?ということで、交流プログラムを実施しました。

先週の木曜日、中学3年生は実際に難民の方のお話を伺いました。

鎌倉にあるアルペなんみんセンターという難民支援NPOとのコラボ企画です。
まずは世界や日本の難民の状況についてセンターの方から伺います。

世界の難民についてや、各地にある難民キャンプの状況について、また日本の出入国在留管理庁の収容センターの状況などなかなか知ることのできないお話を伺うことができました。

そして今、アルペなんみんセンターで生活をしている、スリランカからの難民の方の実体験を伺いました。

武装組織に命を狙われ、車で隣に座っていた友人が命を落としてしまった話。その時のご自身も受けた銃弾の傷跡も見せていただきました。

命からがら日本に逃れてきた後も、国では家族、親戚が脅迫を受けていること。とても生々しいお話でした。

日本に来て、何度も難民申請を出すが、毎回認められないつらさ。収容センターでの過酷な日々。

仮放免後も仕事も許されず、常に出入国在留管理庁のチェックに怯える毎日だったことをお話してくださいました。

国に戻されれば、命はない。日本では生活を制限され、精神的にきつい。

生徒たちにとっては教科書からは知ることのできない、リアルなお話を聴く機会になりました。

今はアルペなんみんセンターに来て、共同生活の中で少しずつ明るい日々を取り戻しつつあるようです。

コロナが落ち着いたら生徒たちと一緒に訪問したいですね。