上智福岡中学高等学校

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2022年8月26日

2学期始業式 校長講話

皆さん、おはようございます。第7波のコロナ感染が続き、皆さんの顔を見てお話しできないのは残念ですが、皆さんが元気に登校し、今日から2学期を始められることを大変うれしく思います。

ところで、充実した夏休みを送ることはできたでしょうか。異常なほどまでに暑い夏休みでしたが、日頃できないことにチャレンジし、この暑さに負けないだけ自分が輝ける場や、よりよい世界づくりのためにできることを何か見つけられたとしたら、とてもいい夏休みになりましたね。

さて、いよいよ今日から2学期が始まります。高校3年生にとっては、今学期が実質的には最後の学期と言えます。3学期は、数日登校したら3月1日の卒業式となるからです。進むべき進路を目指し、これまでのどの学年のどの学期にもまして自分と向き合い、勉強とがっぷり四つに関わる学期となることでしょう。「門をたたきなさい。そうすれば開かれます。」(マタイ7.7)迷わずに勇気をもって一日一日を力強く歩んでください。

高2以下の皆さんには今学期は様々な行事が控えています。早速、今週末にはオープンスクールが行われます。それに続き中3の語学研修、高2の修学旅行、キャリアデー、中間考査が終わると文化祭と目白押しです。どの行事にも積極的に関わって、自分が輝ける場や、よりよい世界づくりのためにできることを見つけていきましょう。

ところで、行事を行うと人と関わることが格段に増えますが、それに伴って人間関係のトラブルが増加しかねません。誰もが気持ちよく通える学校にしていくことを今年目指している私たちです。人間関係のトラブルを避ける秘訣は何でしょうか。

イエス様は「あなたが祭壇に供え物を捧げようとし、兄弟が自分に反感を持っているのをそこで思い出したなら、その供え物を祭壇の前に置き、まず行って兄弟と仲直りをし、それから帰ってきて、供え物を捧げなさい。あなたを訴える人と一緒に道を行く場合、途中で早く和解しなさい。」(マタイ5.23-25)と言っています。

この言葉を聞いて思い出すのが、もう8年も前のことになりますが卒業を控えた66期生を送り出す予餞会での一コマです。当時予餞会では前半に在校生の出し物があり、後半に談論会と言って高3の先輩が在校生に、あるいは後輩が先輩に伝えたいメッセージを壇上から伝える催しをしていました。その最中、卒業を控えたあるハンド部の部員が壇に上がり、同じ高3の部員2名を名指しで呼び出したのです。何が始まるのかと固唾を飲んで見ていると、その先輩は片方に「どうしておまえは、こいつと中3以来一切話をしないんだ。いい加減仲直りしたらどう?」と語りかけたのです。この二人は喧嘩別れしたせいで、以来3年以上も互いに気まずい学校生活を強いられていました。そして仲直りするタイミングをつかめないまま卒業しかけていたのです。しばしの沈黙ののち、言われた生徒はもう片方の生徒に握手を求め右手を差し出し、二人は固い握手を交わし3年以上続いた絶交状態を解消して卒業していきました。 

 もし皆さんの中に、これまでの生活で仲たがいしたままの人がいたら、学期を始めるにあたり仲直りし、相手を赦すことをお勧めします。さもないと、相手だけでなく自分自身の気持ちのいい学校生活をも自ら奪うことになります。また、今日からの生活の中で、何かの諍いがあったとしても、進んで仲直りしましょう。あるいは仲直りしたいといわれたら7の70倍(マタイ18.22)まで赦しましょう。自分の過ちを認め謝ることができる謙虚さ、人の過ちを赦すことができる寛大さを皆さんが深めることができれば、それは大変大きな成長ですし、仮にその成長に何らかの行事が関わったとすればそれだけでその行事は大成功です。

 さあ、2学期が始まります。しっかりとした知識と技能を皆さんがどれだけ毎日の授業で身につけ、行事や部活動を通してどれだけ人として成長できるかを楽しみにしています。頑張っていきましょう。