上智福岡中学高等学校

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2023年1月7日

3学期始業式 校長講話

皆さん、2023年明けましておめでとうございます。皆さんはお正月をどのように過ごしましたか。身の回りを清め、厳かな気持ち、清らかな気持ちで新しい年を迎える日本の正月は本当にいいものです。この素晴らしさを再認識したのは約20年前に一年間アメリカで過ごした時でした。アメリカでは秋から冬にかけては大きなイベントが4つ続くパーティーシーズンが到来します。まずは10月31日のハロウィーンです。仮装した子供たちが仮装パーティーを行い“Trick or treat!”と町内の一軒一軒の戸をたたき、袋いっぱいに食べきれないほどのお菓子をもらいます。これが終わると街中が11月第4木曜日のサンクスギビングデーに向け、カボチャをくりぬいたジャックオランタンなどのデコレーションだらけとなり、当日木曜日から日曜日まで4日間は家族親戚が集まりローストターキーや、パンプキンパイなどの伝統料理でパーティーです。明けた月曜日からはクリスマスのデコレーションとイルミネーションが冬の長い夜を彩り、クリスマスの夜は一年で一番大きなパーティーとなります。そしてとどめがニューイヤーズイブ。親しい者同士が集まり食事をし、深夜にカウントダウン、そして新年の訪れを喜び合うのです。
このパーティー三昧の2か月、そして翌日からお正月。アメリカ最高!そう思いませんか。私もそう思いました。ところが翌日街に出てみると非常な違和感を禁じえませんでした。どう言ったらいいのでしょう。昨日と空気が全く変わっていないとでも言いましょうか、銀行も八百屋も雑貨屋も普通に開いていて、みんな普通に仕事をしている。そこにいわゆる正月らしさが全くないのです。期せずして「パーティーはなくてもいい。暮れの大掃除がどれだけ大変でも構わないから、もっと年の始まりを大切に迎えたい!」との思いが腹の底から湧いてきました。こうして私は日本のお正月の良さと、それに気づいていなかった自分を再認識しました。大晦日も元日も考えてみれば同じ一日なのに、私たちはどの国、どの文化に住む人にもまして、けじめをつけて新たな気持ちで新年を迎えるのが好きな人々、外国人に言わせると気持ちのリセットが上手な人々なのかもしれません。

ところで、お正月とくれば「一年の計は元旦にあり」と言って目標を立てた人もいることでしょう。これから始まる一年を充実した年にする上で、年頭に一年の計画や目標を立てるのはとてもいい習慣です。まだ立てていない人は是非立ててみてください。3学期や次の学年に向けた勉強の目標でもいいでしょう。あるいは読書でも、筋トレでも、ダイエットでも先ほどポートフォリオで考えた目標でも何でもいいです。ぜひ立ててみましょう。そして立てたうえで大切なことが2つあります。それはスタートすることと、スタートオ-バーすることです。いうまでもなくどんな計画も目標もそれに向かってスタートしなければ始まりません。しかし、いざスタートしてみてもうまくいかないことがままあります。自分の意志が弱かったり、計画が無茶だったりなど、原因が自分にあることもあれば、外的要因で続けられなくなることもあるものです。この中断によってあきらめてしまうと目標達成が失敗に終わります。ですので、この時大切となるのが、あきらめずにまたやり直すスタートオーバーです。どれだけ中断があっても、その都度新年を迎えた時のように気持ちをリセットして、何度でも新たな気持ちでスタートオーバーしましょう。やめてしまえば失敗は失敗のままですが、そのたびに気持ち新たにスタートオーバーできれば何十回、何百回失敗したところでそれは成功の過程にしか過ぎなくなります。ですので、皆さん、2023年の初めに当たりぜひいい目標を立ててください。そしてどれだけ続けるのに失敗してもスタートオーバーしてください。最後に、神様がこの一年皆さんを守ってくださるように、またこれから受験を迎える高校3年生の上に多くの恵みが与えられますように、旧約聖書のなかの神様がモーセに告げた祝福の祈りを皆さんに捧げます。
「主があなたを祝福し、あなたを守られますように。主が御顔を向けてあなたを照らし、あなたに恵みを与えられますように。主が御顔をあなたに向けて、あなたに平安を賜りますように。」(民数記6.24-26)

では皆さん、卯年の今年が、飛躍の年となりますようにがんばってまいりましょう。これで私の話を終わります。