上智福岡中学高等学校

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2022年12月24日

2学期終業式 校長訓話

皆さん、今日で2学期が終わりますが、アルゼンチンの優勝で先日終わったワールドカップカタール大会を見たでしょうか。日本代表の活躍は見事でしたね。前回ロシア大会ではベルギーに後半のアディショナルタイムのラスト14秒で高速カウンターを食らい2-3で逆転負けしベスト16止まりでした。この悔しさから、日本代表は「新しい景色を見る」を合言葉にベスト8進出に向け森保監督の下で4年間の準備をしました。その結果、今大会の予選リーグでは、優勝3回のドイツ、1回のスペインに見事に勝ち、首位で予選突破しました。その後クロアチアに延長PK戦の末負けましたが、森保監督は帰国後の会見で「あたら景色は見られなかったが、新しい時代を見せてくれた」とコメントしています。この新しい時代とは、大会前にはほとんどの人が無理と思えたスペインやドイツに勝つ時代でしょう。その経験をした日本代表の選手たちは、もはやベスト8で新しい景色を見るなんて言うことを次の大会では目指さないでしょう。決勝戦でのアルゼンチンやフランスの代表を見て、決勝までさらに3試合戦う準備が必要だと意識は変わっているはずです。
ところで、今年度の学校目標は「関わる」でしたね。先ほどのように日本代表はベスト8という目標に全力で関わった結果、スペイン、ドイツに勝てることがわかりました。そして、より高い目標を持つように変わりました。何にでも、関わると、わかる、そして変わるのです。サッカーつながりで、私も同様の経験を生徒のおかげでしています。私は42期の先輩たちが中1の時にサッカー部の顧問になりました。当時中学ができて2年目、部員は中1と中2だけで、初めて中体連の区大会に出て大差で負け、生徒はがっくりでした。そして生徒たちは市大会を目標にかなり激しい練習を始めました。ところがそれから何年たっても区大会を突破できず、市大会はまるで目の前に立ちはだかる高い壁に思えました。市大会にでるチームはどれだけ強いのだろう、どこまで練習すればいいのだろうと悩むこと8年、ついに48期生が市大会に出てくれたのです。そして市大会という新しい景色を見た時に、それまで無限に高い壁と思えた市大会がそれほどでもないとわかり、目標は県大会へと変わりました。この部員たちと私の意識の変化で、3年後51期生は市大会を準優勝し県大会に行きました。
では、皆さんは「関わる、わかる、変わる」この経験を2学期はどれだけできましたか。高3はSFOの授業で4月から貧困やSDGsに代表される世界が抱える課題を探求しこれからどのようにこの世界に貢献できるかを考えてきました。その中でそれまで知らなかった現実世界が少しずつわかり、この8か月で意識が大きく変わったようです。最後の授業でのアンケートでは99.1%の生徒が「社会課題を解決しようとする気持ちが高まった」、94.5%が「他者に寄り添う気持ちが高まった」「自分から行動する力がついた」と答えています。皆さんも、今学期、クラスや行事、部活動などの中で新たな人とのかかわりがありませんでしたか。それによってその人のことが分かるようになり、その人に対する見方も変わったことでしょう。私は2学期から中二ともかかわることになりました。次第に顔も名前も性格もわかってきています。それによって人間関係が変わってきているのを今感じています。

あるいは、今日これから通知表が渡されることでしょう。その中で苦手と思っている科目について考えてみましょう。得意な科目に比べて苦手な科目にかかわる時間は少ないものです。そんな科目をこれから100日関わってみてください。わかるようになり、苦手でなくなります。さあ、今日で2学期も終わり、明日から冬休みです。何か積極的にかかわるものと見つけて取り組んでみましょう。特に最後の冬休みとなる高校3年生の皆さん、目指す道に進めるように精いっぱい頑張ってください。教員一同、そして後輩みんなで成功を祈り、応援します。
それでは皆さん、コロナの第8波も始まっているようです。健康にも十分注意して元気に3学期登校してください。