上智福岡中学高等学校

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2023年3月18日

2022年度中学3年生修了式 校長訓辞

77期の皆さん、皆さんは中学課程を修了いたしました。「おめでとう」と言ってあげたいところですが、その思いをグッとこらえて、その言葉は敢えて3年後の卒業式までとっておきます。本校では中間地点を通過したことになりますが、今から言う2つのハードルを皆さんはこれから乗り越えていかなければなりません。その2つのハードルを乗り越えた時にこそ、心からおめでとうの祝福の言葉を贈りたいと思います。では先ず、一つ目のハードルとは何でしょう。それは、皆さんが全日制普通科の高校に進学すると言うことです。これは、高校卒業後は就職ではなく、大学進学を目指し勉強をするというコースで、これまでに比べ上の学年に進む条件が厳しくなります。毎日学校で授業を受けるのは当然として、成績もきちんととらなければなりません。欠点が3つ以上あると原則上の学年には進むことはできなくなります。


今年度の学校目標は「関わる」でした。年度を始めるにあたり、皆さんには「たくさんの関わりを通して、この学校で自分が輝ける場所を見つけていきましょう」とお
話をしました。毎日の授業にきちんと関われたならば皆さんの顔はいつも輝いていたことでしょうし、関わらなかった人の顔色は先生方の目には曇って見えていたことでしょう。積極的に関わった人の中にはひときわ輝けたシーンもあったことでしょう。この度優等賞、優良賞、皆勤賞を取った皆さんはまさに輝くことができました。あるいは、今年もスピーチや暗唱のコンテストがありました。SFOでも発表の場がありました。ほかにも、シャトルランコンテスト、計算コンクール、漢字検定、英検、GTECもありました。毎週月曜日には、部活などの大会やコンテストの表彰をたくさんさせていただきましたし、文化祭、体育祭で頑張れた人もいたことでしょう。皆さんはいかがでしたか?このような中で、残念ながらこれまで勉強から逃げていた人は、今日から気持ちを切り替えて前向きに取り組みましょう。まともに勉強に取り組んだことがない人、いい結果を出したことのない人は、果たして自分に勉強ができるのか自信がないはずです。不安もあることでしょう。そのような人に一つだけアドバイスするとすれば、どの期にも皆さんと同じような先輩はいましたが、高3の終わりにはそれなりに結果を出しています。不安がらずに前向きに勉強に取り組むことです。


次のハードルは、どこまで上智福岡生らしくなれるかです。「あなたがたは地の塩である」(マタイ5.13)、「あなたがたは世の光である」(マタイ5.14)と聖書が言っています。あなたが塩だったとしましょう。おいしい料理を作るときあなたは溶けてなくなります。そして、人はその料理を食べているとき、だれも「この塩おいしいね」などとあなたに言ってはくれません。逆に、あなたが溶けてなくならなければ、「塩が足らない」とか、「ここだけ塩っぱい」と文句を言われてします。あるいは、あなたが光を放つロウソクだとしましょう。あなたは、周りを明るくしながら自分の身を燃やして消えていきます。でもあなたが身を削る犠牲をしているとき誰もそのことに気づきません。どこまで上智福岡生になれるかは、このように、どこまで目立たずに、人のために喜んで苦労することができるかということです。

 

ところで、私はここ十年以上、掃除の時間は中3の生徒とともに1階の階段を清掃しています。今年も「いいなぁ」思ったのは、中3になりたての頃は「掃除当番になったら損」と思っていた生徒が、不思議と中3を終えるころには淡々とするようになることです。たまたま今年卒業した74期生は、皆さんが中1の時から高校棟1階に入ることになったため、中3,高1と2年続けて一緒に掃除をすることになりました。すると、高1ともなると「ここは自分が責任をもってやらなければだれも掃除をしない」という自覚と使命感の芽生えが感じられました。たまに用事でわたしが行けなくても掃除が終わっているのです。実は、人のためにすることの多くは苦労はすれども人目に付きません。掃除一つとってみても、しなければ汚れが目立ち気づかれますが、責任をもって気持ちのよい環境を周りに提供しても、その苦労はなかなか気づかれません。このように人のために何かをすることはある意味損なのです。ところがうちでは高校生ともなると次第にこれは決して損ではなく、人知れず人の役に立つ喜び、やりがいとなることが分かってきます。例えば、今年度の体育祭や文化祭は大変素晴らしいものでしたが、その裏には高校の先輩方一人ひとりの大変な苦労がありました。しかし、本番当日皆さんやご来場の方々の喜ぶ姿を見たときに、苦労の多かった先輩ほど、その苦労を補って余りある達成感とやりがいを感じました。

 

2つ目のハードルはこの先輩です。目立たずに、人のために喜んで苦労することにおいて、皆さんがどれだけ先輩たちに近づきその先輩を超え、その後ろ姿を今度は後輩たちに見せることができるかが問われています。このように勉学のハードルとともに上智福岡生としてのハードルが皆さんの前に待っています。この2つのハードルを越え、上智福岡生らしさを身に帯びてこの学校を巣立つとき、私たちは皆さんに心からのおめでとうの言葉を送ります。これから3年間、しっかりと上を向いて上智福岡生らしく成長をしてくれることを期待して私の話を終わります。