8月26日に始まった2学期が終わろうとしています。そして明日はクリスマス・イブですね。クリスマスといえば、皆さんはアメリカの作家O.ヘンリーの代表作「賢者の贈り物」というお話をご存じですか。クリスマスの心というものをよく表した作品です。若く貧しい夫婦ジムとデラがクリスマスにお互いにプレゼントを贈り合うこの物語のあらすじを紹介しましょう。舞台は1900年頃のアメリカです。クリスマス・イブだというのに手元にはわずかなお金しかありません。それでもジムもデラも、なんとか相手にプレゼントを買えないものかと考えています。
実は二人には2つの大切な宝があります。ジムはおじいさんからお父さんへと受け継がれた金の懐中時計を、またデラは膝まで届く美しい髪を持っています。その大切な髪の毛を、金時計の鎖を買ってあげるためにデラはバッサリと切って売ってしまいます。ジムはジムで大切な金時計を質屋へ入れてデラが欲しがっていた髪につける鼈甲の櫛を買って、デラの喜ぶ顔を思い描きながら家路を急ぎます。しかし家で出会った瞬間、呆然とするのです。そこにはもう長い髪の毛も時計もないからです。でもやがて二人は、鎖と櫛は時計と髪の毛が元に戻る日までしまっておくことにして、お互いの「思いやり」をクリスマスのプレゼントとして受け取ることにするのです。O.ヘンリーは「この一見愚かな行き違いは、しかし、最も賢明な行為であった。」という言葉でこの話を結びます。プレゼントは残念ながら役立たちませんでしたが、最も大切にしているものを相手に捧げる愛そのものが最上のプレゼントとなったのです。
この二人の姿で思い浮かぶのは、最後の晩餐でのイエス様の「友のために自分の命を捨てること、これ以上に大きな愛はない。」と言う言葉です。なぜかここでイエス様は「人のために」とは言っていません。「友のために」と言っています。この言葉の裏には「まずはその人を友と思っていますか。」「人を線引きせずに友になっていますか。」という問いかけががあるようです。では、「息をするが如く隣人になれ」を今年の目標にしている私たちはこの2学期に生活を共にした人たちを分け隔てなく友と思えたでしょうか。実際にはなかなかそうできるものではありませんが、少なくともそうありたい、そうあらねばと思っているでしょうか。さらには、友とは泣く人とともに泣き、喜ぶ人とともに喜べる人です。皆さんは誰であれつらい思いをしている人の苦しみに自分も苦しみ、また喜ぶ人とともに喜べたでしょうか。あるいはジムとデラのように相手を思いやるのが友です。誰に対しても思いやりを示して、時には最も大切にしているものを捧げることはあったでしょうか。しばらく黙想をして心静かに振り返ってみましょう。
いよいよ今年が終わろうとしています。来年は今年以上に息をするが如く隣人になれるようにお互いに精進してまいりましょう。それでは皆さん、よいクリスマスと充実した冬休みをお過ごしください。また、最後の冬休みとなる高校3年生の皆さん、目指す道に進めるように私たち教員一同、そして後輩みんなで成功を祈り応援します。健康に十分注意して精いっぱい頑張ってください。
実は二人には2つの大切な宝があります。ジムはおじいさんからお父さんへと受け継がれた金の懐中時計を、またデラは膝まで届く美しい髪を持っています。その大切な髪の毛を、金時計の鎖を買ってあげるためにデラはバッサリと切って売ってしまいます。ジムはジムで大切な金時計を質屋へ入れてデラが欲しがっていた髪につける鼈甲の櫛を買って、デラの喜ぶ顔を思い描きながら家路を急ぎます。しかし家で出会った瞬間、呆然とするのです。そこにはもう長い髪の毛も時計もないからです。でもやがて二人は、鎖と櫛は時計と髪の毛が元に戻る日までしまっておくことにして、お互いの「思いやり」をクリスマスのプレゼントとして受け取ることにするのです。O.ヘンリーは「この一見愚かな行き違いは、しかし、最も賢明な行為であった。」という言葉でこの話を結びます。プレゼントは残念ながら役立たちませんでしたが、最も大切にしているものを相手に捧げる愛そのものが最上のプレゼントとなったのです。
この二人の姿で思い浮かぶのは、最後の晩餐でのイエス様の「友のために自分の命を捨てること、これ以上に大きな愛はない。」と言う言葉です。なぜかここでイエス様は「人のために」とは言っていません。「友のために」と言っています。この言葉の裏には「まずはその人を友と思っていますか。」「人を線引きせずに友になっていますか。」という問いかけががあるようです。では、「息をするが如く隣人になれ」を今年の目標にしている私たちはこの2学期に生活を共にした人たちを分け隔てなく友と思えたでしょうか。実際にはなかなかそうできるものではありませんが、少なくともそうありたい、そうあらねばと思っているでしょうか。さらには、友とは泣く人とともに泣き、喜ぶ人とともに喜べる人です。皆さんは誰であれつらい思いをしている人の苦しみに自分も苦しみ、また喜ぶ人とともに喜べたでしょうか。あるいはジムとデラのように相手を思いやるのが友です。誰に対しても思いやりを示して、時には最も大切にしているものを捧げることはあったでしょうか。しばらく黙想をして心静かに振り返ってみましょう。
いよいよ今年が終わろうとしています。来年は今年以上に息をするが如く隣人になれるようにお互いに精進してまいりましょう。それでは皆さん、よいクリスマスと充実した冬休みをお過ごしください。また、最後の冬休みとなる高校3年生の皆さん、目指す道に進めるように私たち教員一同、そして後輩みんなで成功を祈り応援します。健康に十分注意して精いっぱい頑張ってください。